- 関内・伊勢佐木町
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すずきけいこ(アスター)
横浜生まれ、横浜育ち。幼い頃に家族で出かけた元町、中華街、野毛…の味を懐かしく思い出す今日この頃。そして30年以上働いた関内で食べるコスパ最高のランチが好き。 でも一番好きなのは、旬の野菜を料理してお家でモリモリ食べること。旅に出ると道の駅が素通りできない根っからの食いしん坊です。
同じライターの記事一覧馬車道通りの中程、関内ホールの向かいに位置する馬車道会館ビルの少し暗くて急な階段を上がり店の扉を開くと、そこには驚くほど気持ちの良い空間が広がっています。
大きな窓の向こうに並木の緑が映えるこのお店の名前は「ル・パルフェ馬車道」
ここは誰もが最高の笑顔になってしまうパフェ専門店です。
「ル・パルフェ馬車道」のパフェは、主役である季節のフルーツがちゃんと美味しいのはもちろん、美しく盛り付けられたクリーム、アイス、ジュレまでもすべてが計算し尽くされていて、最後の一匙まで違った表情を見せてくれます。
お店を訪ねるたびに、
「このパフェを生み出す人とお話してみたい…」との思いは募るばかり。
今日はやっとオーナーの須藤兼之さんにお話しを伺うことができました。
お酒も楽しめる大人のパフェ専門店のオーナーである須藤さんですが
「甘いものは好きだけど、特にパフェ好きというわけではないのですが・・・」
と笑います。
世界中で美味しいものを味わってきた経験から
「自分だったらひとつのフルーツを、器の上から下までこんな風に楽しみたいな」
という思いをパフェのグラスの中に具体化してきました。
そんな須藤さんですが、もともと家に友人たちを招いて料理をふるまうことが大好きだったこともあり、いつかは飲食の仕事をやってみたいと思っていたそう。
その“いつか”に備えて、調理師免許を取ったり利き酒師の資格を取ったりしていました。
馬車道の落ち着いたたたずまいと、お酒を飲みながらスイーツも楽しめる洗練された「ル・パルフェ馬車道」の雰囲気は、不思議なほどしっくり来ます。
「チョコをつまみながらウイスキー、羊羹を食べながら日本酒みたいに、スイーツとお酒って結構合うと思うんです」と須藤さん。
取材にお邪魔した時期には、生ハムをのせたイチジクのパフェやロックフォールチーズとクルミがあしらわれた柿のパフェなどがメニューに並んでいました。
「特にお天気の良いお休みの日には、パフェとキンと冷えたスパークリングを開放感たっぷりに味わっていただきたいですね」とのこと。お店に男性のファンが多いのもうなずけます。
ちなみにフルーツのカットや仕上げの盛り付け、店の経理関係は妻の明美さんが、パフェの構成を考えて味を設計するのは夫の兼之さんが担当。最終的に2人で相談して、どんな魅せ方をするとお客様に喜んでいただけるかを考えるのだそうです。
このお店の魅力は、一度来たら「次は〇〇のシーズンだからまた来なくちゃ!」と嬉しい連鎖が続くところにあります。主役となるフルーツは自然の恵み。当然のことながらその年ごとに、甘みの乗り具合や色合いなど、常に同じとは限りません。納得できる素材が手に入らなければ、メニューに載せる時期を見送ることもあります。
「あたり前ですけど、お客様には本当においしいものを召し上がっていただいて、笑顔になっていただきたいです」
パフェを「設計する」と表現する須藤さん。
「うちのパフェは縦掘りして召し上がってください」と強調します。
食べ始めから終わりまで、素材同士がおいしさを引き立てあう「マリアージュ」を味わってほしいからだそうです。
パフェを掘り進んだ最後に、あえて小さな果肉を忍ばせることがあるのも、「最後にまた会えた!」みたいな感覚を大切にしたいという須藤さん流です。
「パフェの原点は映画『プリティ・ウーマン』かな。シャンパンの中にイチゴをポンと入れる。僕はあの風情が大好きなんです」との言葉に、
取材に同行したメンバー一同、「わかる!!」と悶絶した一幕でした。
いつ訪ねてもたくさんのお客さんで賑わうル・パルフェ馬車道。
お出かけの時にはぜひ予約をお勧めします。
Shop info/店舗情報
- ル・パルフェ馬車道
- 住所
- 神奈川県横浜市中区住吉町5-57 馬車道会館ビル 2F
- 営業時間
- 火〜木 13:00〜21:00 (L.O 20:30) 金・土 13:00~22:00(L.O 21:30) 日・祝 13:00〜18:00(L.O 17:30)
- 定休日
- 月曜日と隔週火曜日