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元、交番。いま、コーヒー屋さん。坂の途中にちょこんとたたずむ「Coffee Koban」代表 後藤尚久さん
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    平鹿 亜樹

    平鹿 亜樹

    神戸出身。広報・Webマーケター・セレクトショップのオーナーとして、モノや人にまつわるストーリーを日々言葉で紡いでいる。暮らしの中の小さなときめきや感動を、そっとすくっていきたい。グレーのハチワレ猫と過ごす時間が、心の栄養。

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    「ここ、ちょうどいいかも」元交番が、小さなカフェになった話。

    坂の多い住宅街。交差点の角に、ちょこんとたたずむ蔦の絡んだ白い建物。

    実はここ、元、交番。カフェに変身したこの場所は、名前はそのままCoffee Koban(コーヒー交番)


    「ワンオペでできるサイズ感。駅前じゃなくて、少し離れた落ち着いた場所でやりたいと思ってたから、ここを通りすがったときビビッときた」と話す後藤代表。

    調べてみると、この建物は2018年に交番としての役目を終え、2020年に官公庁オークションで民間に売却されていた。所有者を探して交渉し、開店に向けて準備を進めた。

    広さは2階建てでそれぞれ6畳。決して広くはないけれど、アイデアと想いが詰まった空間にするには、十分だった。


    開業前からInstagramで発信すると、開店前から取材依頼が入った。記事が掲載されると、他のメディアからも次々と声がかかった。

    実は、取り上げられた記事をきっかけに、警察官が訪ねてきたことがあったそう。

    というのも、建物の壁に警察のロゴマークが残っていたから。売却当時は蔦に覆われていて、気づかなかったのだ。

    お詫びに(?)、マスコットキャラクターのぬいぐるみを置いていってくれたそうで、2人が店内の一角で警護の任務を遂行中だった。

    神奈川県警察のマスコットキャラクター「ピーガルくん」と「リリポちゃん」。左下には、「この紋所が・・・」ばりに警察手帳をかかげた人が!

    店内をよく見ると、警察にまつわるグッズがちらほら。

    群馬や九州など全国の警察関係者が、カフェに来て、お土産に置いていってくれたのだとか。こんなエピソードも、この場所ならでは。

    “白くて明るく”、気持ちが晴れやかになるカフェ

    Coffee Kobanの内装が、私は大好きだ。白い壁と無垢の木、やさしい光がふわりと差し込む空間は、後藤代表の明るい人柄そのまんま。なんだか、しっくりくる。

    「カフェって、暗くて落ち着く場所が多いけど、自分がずっといる場所だから、元気になる場所にしたかった」

    2階窓際のカウンターテーブルは、地元・飛騨高山の一枚板。届けてくれたのは、大工の友人だという。想いが詰まっている。


    スペシャリティコーヒーと、浅煎りの世界

    「コーヒーって、黒くて苦いものだと思ってた」と後藤代表。

    ある日、浅煎りの豆で淹れたカフェラテに出会って驚いた。

    「なんて軽やかなんだろうって。そこから、浅煎りにハマっていった」

    浅煎りは、豆の個性が素直に出やすい。爽やかさや華やかさ、果実のような酸味。そんな風味に惹かれ、スペシャリティコーヒーを浅煎りメインで提供している。


    会話があふれるカフェ。平日なら、きっともっと話せる

    取材中も、次々とお客さんが訪れて、「今日暑いですね~」「気をつけてお帰りくださいね~!」

    こんなふうに、会話の多いカフェって、実はあまり見かけないかもしれない。

    いちばん忙しいのは日曜日。土曜もタイミングによってはにぎやか。

    ゆったりと後藤さんとの会話を楽しみたいなら、平日が狙い目です。

    ヨコハマフードラバーズ装飾
    ヨコハマフードラバーズ装飾
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