- 関内・伊勢佐木町
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あらいきよてる
横浜に詳しいソーシャルデベロッパー。神奈川宿の丘の上で、住宅型複合施設「しぇあひるずヨコハマ」運営 。近年は空き物件や商店街の活性化など、横浜市内外のまちづくりや地域プロモーションにも関わる。週末カメラマン。二児の父でアニメ・サブカル好き。
同じライターの記事一覧関内・馬車道といえば、音楽と一緒にお酒を楽しめるまち、そう思っている方、結構いらっしゃるのではないでしょうか?
今回取材したのは、7月にオープンしたばかりの注目のピアノバー「ベン・テヌート」さん!
以前カラオケ居酒屋を経営していた川西暁さんがオーナーで、ジャズシンガーとして活躍する黒田ナオコさんがマネージャーを勤めるアットホームなバーです。
日々お店に立つのはオーナーの川西さんの方ですが、もともとカラオケシステム「DAM」の販売をしていたという異色な経歴の持ち主です。
そして、DAMの営業を経て、青葉区藤が丘でカラオケ居酒屋の経営を始めることに。
ナオコさんも青葉区が地元だったので、そのお店がきっかけで知り合いました。
当時のお店は夜の営業だけでなく「昼カラ」など、ご高齢のお客様にも人気で、地域の憩いの場になっていましたが、コロナの感染拡大に伴って、あえなく休業に。
それでも、ジャズをカラオケで歌うスクールを開くなど、営業スタイルを工夫し、ナオコさんも講師として月2回レッスンを行いました。
しかし、長引くコロナの状況で、無理にやっていても仕方ないと、店をクローズすることを決めたそうです。
事業再構築補助金の活用もあり、新しい業態の店として再スタートを切ろうとしたとき
「歌うのが難しくても、ピアノを静かに聴くならよいのでは?」
と考えたのが、「ベン・テヌート」の立ち上げのきっかけでした。
初期のアイデアとしては、「AIピアノバー」、「家にいながらバー」とかもあったそう。同じ業態の延長ではなく、違うタイプの店舗にする必要がありました。
また、お店の雰囲気をお二人で検討していく中で、
「オーセンティックバー(重厚で伝統的)じゃないよね。」
と話をしていたそう。
結局、ピアノがあるのと、ロボットがお客さんを迎えてくれる面白さを兼ねた、現在のスタイルになりました。
お店の奥にはコンパクトなグランドピアノもあり、ものすごく素敵な雰囲気です!
ここでお酒を飲みながらジャズの生演奏が聴けるのは、最高としか言いようがありません。
オーナーの川西さんは前のお店の休業中に、バー業界で著名な坪井吉文氏のバーテンダースクールでカクテルの作り方を学びました。
バーテンダーのオーラが滲み出ているので、言われないと気づきませんが。
「まだまだですよ笑」
とあくまで謙虚に、カクテルを提供してくれます。
バーってマスターが凄いこだわりをもっていて、何か作法を間違えると怒られてしまうのでは?
という、ある種の緊張感がありますが、それが全くなく、とても親しみやすいのです。
床に視線を下すと、可愛らしいロボットがチョロチョロ動いています。
名前は店名にもちなんで「ベンちゃん」!
お客さんの顔を覚えたり小さく鳴いたり、あえて声を出さないのが魅力です。
「接客上手で、結構カワイイ。」
と嬉しそうに話すナオコさん。
近づいてくると思わず、抱きしめたくなってしまいます。
実際、ボディにセンサーが入ってるので、撫でるとクークーと小さく鳴くのです。
よくできていて、うちにも欲しいと思いました。
お店をここ馬車道にしたのは、そもそも青葉区では物件が少なかったことに加え、音楽を聴くカルチャー的にも関内・馬車道エリアがいい。と考えていたから。
「ベン・テヌート」というの名前も、お店がある「弁天通り」に由来します。
(余談ですが、私とナオコさんは、関内駅にほど近い末吉町の地下にあるジャズバー「よいどれ伯爵」のライブのときに知り合いました。)
色んなタイプの店がある中で、
女性でも一人でこれる。 落ち着いて過ごせる。 お酒を飲まなくてもよい。
といった他のバーにはない魅力をしっかり形にし、明るくて居心地のよい場所が実現しています。
しっとり飲むのもバーの良さではありますが、このように明るい雰囲気だと、カウンター越しの会話に花が咲きます。実際に川西さんは、
「人が好き、話をするのが好きです。」
と、優しく応えてくれました。
他にも趣味や好みを伺うと、音楽では、ジミヘンやジャズが好き。
お酒はバーボン、スコッチだそうです。
自分の好きなことをバーという形で表現できるのは素敵ですね!
お店の壁に、プロジェクターでモノクロ映画が投影されているのも◎
ドリンクやフードも、あくまでカジュアルに。ビールの種類も多めなのが嬉しいです。
ナオコさんに好きなお酒を尋ねると、ワイン、ウイスキー、ビール。とのこと!
「バーって中の雰囲気がよく分からないし、一人で扉を開けるのも勇気がいる。
だから、中が見えるオープンな作りにしたんですよ。」
同じように、メニューについても、パッとみて悩まないように、どちらかというと、カフェのような、とても分かりやすいラインナップになっています。
実際、一人で来られた女性の方が、コーヒーを注文していました。
注文したのは、ささっと出る「スペシャル生ハム盛り合わせ」と、おススメの「4種のチーズピザ」
フードが充実していてとても美味しいので、レストラン感覚で、お腹が空いているときに1軒目として入っても問題ありません☆
ピザはパリッと焼いた生地の食感と、チーズの風味が最高。
ちなみに、スイーツも豊富で、自家製の生チョコまであります!
これほどまでに女性目線のバーって、とても貴重ですよね。
もちろん女性でなくても、ウイスキーとチョコの相性は抜群です!!笑
そんなこんなで、川西さん、ナオコさんとお話していると、新しいお客さんが入店してきて、そのグループの方とも徐々に会話が混ざり始めました。
昔の横浜のこと、仕事のこと、人生で大事にしていること。などなど。
グループの中で一番目立つダンディーな方、あぶない刑事の「大下勇次」の雰囲気が漂いまくりなので、
「柴田恭兵に似てるって言われませんか?笑」
と聞くと、やはりまんざらでもなく、昔はダンスをしたり、女の子の出待ちがいたとか、武勇伝を語ってくれました笑
はじめましての客同士でここまで盛り上がれるのは、なかなかないですよね笑
でも若者のパリピ的なテンションではなく、もちろん昭和のサラリーマンの宴会みたいな、おっさんのノリとも違う。
ちょい悪オヤジが主役のドラマか、何かのパフォーマンスか、ミュージカルか??笑
ライブのときに感じる、謎の一体感がありました。
ここでは誰でも演者になれる。そんな気がします☆
いかがでしたでしょうか?
川西さん、ナオコさんのお二人が目指す「カジュアルなバー」という世界観を、たっぷり味わうことができるお店だということが、お分かりいただけたかと思います。
また、単にカジュアルなだけではなく、どことなく大人の品と色気が漂う、非常に横浜らしいお店だと思いました。
一人で、グループで、気軽に立ち寄って、横浜の夜を楽しんで頂けたら幸いです。
次回は是非、ジャズライブも聴きにいきますね ♪
川西さん、ナオコさんありがとうございました!
Shop info/店舗情報
- ジャズピアノバーなのにカジュアル ♪「Ben Tenuto(ベン・テヌート)」川西 暁さん・黒田ナオコさん
- 住所
- 横浜市中区弁天通3-48 弁三ビル 1F
- 営業時間
- 18:30~24:00(L.O.23:30)
- 定休日
- 日曜日
- 備考
- 営業時間・定休日が記載と異なる場合がございますので、ご来店時は事前にご確認をお願いします。