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ほっこり美味しい南インド料理店:「ボーディセナ」洲濱 拓也さん・寛子さん
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    菅原 瑞穂(あんじゅ)

    菅原 瑞穂(あんじゅ)

    お酒と酒の肴をこよなく愛するコピーライター。言葉の面から地域活性化やジェンダーフリー、保護猫活動に関わる。江戸川乱歩で一番好きなのは『芋虫』。二つ名はあんじゅ。火曜日だけの立ち飲みバー「革命」(六角橋商店街)の店主でもある。

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    関内桜通りと入船通りの交差点からすぐにある南インド料理店「ボーディセナ(bodhi sena)」。ランチタイムは行列必至の人気店です。少しくらい並んだとしても、一歩店内に入ればすっかりくつろいだ気分になれるのがこのお店。異国情緒ただよう空間。暖かく愛のある接客。そして南インドの優しいスパイス料理。

    人気メニュー「ミールス」。何種類ものカレー、おかず、調味料を1つのお皿の上で混ぜ合わせながら頂く

    こんな素敵なレストランを創ったのはどんな人たちなのでしょう。今回は「ボーディセナ」の洲濱 拓也さん・寛子さん夫妻にお話を伺います。


    寛子さんは高校時代からインドが大好きで、アルバイト先にもインド料理店を選んだほど。であれば、南インド料理レストランはお2人の昔からの夢だったのと思いきや、この料理を選んだ背景にはもう少しドライな理由がありました。

    一番の理由は費用対(コスパ)の良さ。僕としては飲食店なら何でもよかったんです。ただ、居酒屋で儲けを出すのは難しいし、イタリアンやフレンチでは強豪が多い。そう考えたときに、横浜ではまだ珍しい南インド料理なら、と(拓也さん)」

    お店を始めるまでは東京の杉並区で暮らしていた洲濱さん一家。出店先を関内にしたのは、居抜き物件だった今の店舗の雰囲気が気に入ったから。確かに、コンクリートむき出しの外壁や天井のトタン板は南インドの海辺にある隠れ家レストランのようで、ボーディセナにはぴったり。

    もともと馴染みのある場所ではなかった横浜・関内は、越してきた当初は東京より人がクールだと感じたこともありました。でも半年も過ぎる頃にはすっかり馴染み、今では暮らしやすい街だと感じているそうです。

    お子さんが入園した保育園に優しい先生が多かったことも街に馴染むことができた理由の一つ。1人の先生がボーディセナの料理をいたく気に入って「美味しい店がある!」と同僚に広めてくれたこともあったのだとか。

    居抜き物件のインダストリアルな趣きをチャーミングに彩るのが、寛子さんが楽しみながら集めたり、手作りしている雑貨や装飾品の数々。

    「店内の装飾はすべて妻がアジアン雑貨のお店などを回って集めたもの。テーブルは以前の店舗からあったものですが、そのままでは雰囲気が合わないと、自分たちでペンキを塗ったんです(拓也さん)」

    「保育園の送り迎えに行くときに、手にペンキが付いていたりしましたね(寛子さん)」

    お2人は接客や料理の盛り付けを担当し、料理はすべて南インド出身のシェフの担当。キッチンでは毎日、片言の日本語、シェフの母語であるマラヤーラム語、ヒンドゥー語、英語が飛び交っています。

    「ドーサ」はクレープのような南インド料理。生地のパリパリ食感とカレーやチャトニとのハーモニーが楽しい

    店のオープンは2019年9月。数ヶ月後に新型コロナウィルスの大流行がはじまり、お客さんの数が激減します。協力金のおかげで生活には困らなかったものの、客数が減った理由が社会情勢によるものなのか、お店の力不足のせいなのか、判断がつかず不安を感じることもあったそうです。

    幸い感染状況の落ち着きとともに「ボーディセナ」を訪れるお客様の数はじわじわと増えていきました。今では県外からもファンが訪れる人気店に。

    「自分たちでSNSをすごく頑張っているというわけではないのですが、来たお客様が拡散してくださるのか、『Instagramを見てずっと来てみたくて』と言ってくださるお客さんもいて。ありがたいと思います(寛子さん)

    以前住んでいた杉並区はコアなスパイス好きが集まるレストランが多かったそうですが、2人が目指すのはサラリーマンから現場で働く職人さんまで、いろいろな層のお客さんが入りやすいお店。

    レジ横で売られているスパイス菓子やシロップも、「近所で働く方たちに体に良いおやつを食べて欲しい」という思いから寛子さんが手作りしています。

    スパイスシロップのパッケージイラストはご夫妻の長女、仁香(にか)ちゃんの作品

    これからの「ボーディセナ」はどんなお店になっていくのでしょう?

    今日もあそこでご飯が食べたいな、ほっこりしたいな、という気持ちで来てくれたお客さんが、スタッフとちょっとした雑談をしたりもしながら、くつろげるお店になったら嬉しいです。あとは、コンビニでは買えないヴィーガンフレンドリー、グルテンフリーのお菓子をもっと広めていきたい!(寛子さん)」 

    「子供ができる前に2人で食事に行く時、美味しいのはもちろん、くつろげたり、異国感があったり、スタッフと会話が楽しめたりと、味以外の価値を提供できるお店を選んでいました。スパイス料理が好きな人や美味しい料理を食べたい人のための、そんなレストランになれたら嬉しい(拓也さん)」

    寛子さんに店名の由来を聞きました。「東大寺の大仏を開眼した菩提僊那(ぼだいせんな)にちなんでいます。日本にはじめて来たインドのお坊さんで、大仏を開眼した人。お店の名前にしたらかっこいいなって」

    「この物件いい!」と言うインスピレーションに導かれて関内にやってきた洲濱さんたち。菩提僊那のようなチャレンジ精神がありながら、かまえず気軽にお話しできる2人の店で、皆さんもくつろぎながら美味しい南インド料理を楽しんでください。

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