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芸術と文化を愛する店主が伝えるスペインの魅力:「カサ・デ・フジモリ」廣谷 俊宏さん
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    成瀬優子(むっく)

    成瀬優子(むっく)

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    横浜の老舗スペイン料理屋として有名な「カサ・デ・フジモリ」は、関内の飲食店と言えば、はずせないお店。
    スペインが大好きな私は、シェフとお話してみたいなぁ…と念じていたら、CAMPARIの濵田シェフが「うちの常連さんですよ」と紹介してくださり、念願叶いました!
    2代目オーナーの廣谷さん。
    「なぜスペイン料理だったのですか?」というところから、話は始まりました。

    ■画家を志してスペインへ
    山形出身の廣谷さんは、20代の頃、画家を志してスペインへ単身渡航。
    なんと!画家志望だったとは。大好きなピカソの油絵を見たかったそう。
    半年ほど滞在後、日本に帰国。山形に帰る前に親戚のいる横浜で、気軽な気持ちでスペイン料理屋で働き始めます。
    そのお店の紹介で、カサ・デ・フジモリに入ることになったんだとか。
    アルバイトから始まり、料理長、そしてオーナーシェフに。
    まさか、自分がスペイン料理店を横浜でやるなんて、20代の廣谷さんは想像していなかったでしょうね。
    人生っておもしろい!!
    絵を描くのも観るのも今でも好きとのことですが、料理を仕事にして働くのは、楽しくてのめり込んだそう。小学生の頃から絵を描いていて、油絵はなんと独学!何かを極める性格は子どもの頃からだったのですね。

    ■スペイン愛にあふれる
    前オーナーに、絵を描くように、料理にも美意識が必要だから、向いているんじゃない、と声をかけられ、料理の道に進むと決めた後は、今度は料理修行でスペインへ。
    暮らしのなかで食を楽しみ、食で人がつながる・・・行く度に、スペインの風土と食文化に魅了されていきました。 スペイン愛にあふれるシェフ。私も、学生時代はスペイン一周旅行をしたし、新婚旅行先もスペイン(笑)。
    スペインの風土、建物、食、文化の素晴らしさと、陽気で情熱的で、何より人生を楽しむことを大切にするスペインの魅力に、話が盛り上がりました。
    廣谷さんの奥様は、なんとフラメンコダンサー!馬車道で、フラメンコ教室をされています。

    ■スペインと繋がる
    入口を入って上を見上げると、スペイン各地のお店のメニューが飾られています。
    スペイン料理を学びたいと言うと、歓迎してくれるお店ばかりだそう。
    スペイン料理とは言いますが、本来地産地消を大切にし、地方色があるもの。
    スペイン各地の多彩な料理を再現するため、コロナ禍以前は、定期的にスタッフとスペインを訪れていたそうです。

    店内装飾は是非細部までご覧あれ!シャンデリアは、200年前の車輪で作られています。
    ホームページには、「店内探訪」というページが。
    http://www.casa-de-fujimori.co.jp/store-kannai-interior.shtml
    ここを見ると、カサ・デ・フジモリの店内をより楽しむことができます。

    ■現地の空気感も届けたい
    カサ・デ・フジモリの料理は、現地の味と変えないのがスタイル。
    日本人に合わせない理由は、現地の空気感も届けたいから。
    調理器具や、食材の切り方に至るまで、スペインの食文化をリアルに伝えたいという思いがこもっています。
    漁師風魚介類のパエージャは、その美味しさに感動!ワインと合わせて楽しむためにある!
    旨味の効いたしっかりとした味つけが、スペインを思い出させます。トッピングされているパプリカまでもが、すごく美味しいのです。
    フラメンコギターの生演奏(不定期)は、コロナ禍で始めました。
    スペインに行けなくても、行った気分になって楽しんでもらえたら、とのシェフの思いです。

    ■食材へのこだわり
    カサ・デ・フジモリがスペインから日本に初輸入した食材も。
    このパプリカパウダーでなければ出せない味…味わってみて納得です。これを使って作るニンニクスープ(私にとってスペイン料理と言えばこれ!)も、おすすめです。ムール貝の国内養殖も、なんとカサ・デ・フジモリが声掛けして始まったのだとか!
    素材へのこだわりが本物です。お米はシェフの出身の山形から、野菜は羽沢から、と国産の美味しい食材も探求しています。

    ■世代を超えて、つながる場所
    1970年創業のカサ・デ・フジモリには、三世代で来店されるお客さんも。世代を超えて繋がれる店…それは、時間の積み重ねがある店にしかできないこと。ここでの食事には、たくさんの人の色んな思い出やストーリーがあるのでしょう。スペインには100年越えのレストランもあるそう。レストランは歴史と人の居場所…素敵な言葉でした。

    ■飲食店もつながって食文化を作る
    すでに有名店であるフジモリさんに取材を申し込んだ時、どうして快諾してくれたんですか?と聞くと、ヨコハマフードラバーズ(YFLs)が「人」にフォーカスしていたからと。
    廣谷さんは、もっと飲食店店主同士も繋がって、まちを盛り上げたい。
    だから、飲食店店主がどんな人かを記事にしているYFLsに興味をもったと話してくれました。
    気さくで優しい廣谷さんの人柄がにじみ出る、温かな時間でした。
    そして、廣谷さんが作りたいのは、エリア全体で食を楽しむ、関内ならではの食文化。
    是非、美食の街サンセバスチャンみたいになって欲しい!

    スペイン人の生活の一部であるバル。
    カサ・デ・フジモリの向かいには、バール・エスパニョールがあります。
    小皿料理であるタパスを出すお店はありますが、ここは、お店そのものも現地スタイル!
    気軽に陽気に楽しめる、そしてちょっと遊び心ある料理が揃っています。
    シーンに合わせて、どちらのお店も楽しめるのです。

    食は文化であり、生き方だなぁと感じた帰り道。
    さぁ関内で、スペインの魅力を、食文化を、あなたも体感してみてください。

    Shop info店舗情報

    カサ・デ・フジモリ
    住所
    横浜市中区相生町1-25
    営業時間
    月~金 11:00~23:00 土 12:00~23:00  日、祝日 12:00~22:00 *お問い合わせください。
    定休日
    年中無休(年末年始は除く)
    備考
    コロナウイルス対応の為に営業時間を変更する場合があります。 店舗にてお問い合わせください。
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