JR関内駅北口から約5分

桜通り沿いの一階にあるお店は、昼はカフェ、夜はBARとして優しく穏やかな雰囲気で

私たちを向かい入れてくれます。

2022年4月にグランドオープンした「I’m home」

名前はもともとそこにあったお店、「山田ホームレストラン」に由来し、その後できた、こちらがオープンする前にあったお店も「BankART Home」と店のスタイルは違いますが、名前を引き継いでいて、この場所の歴史を感じます。

店長の伊藤大輔さんは、もともと都内でコーヒーとお酒をやっている店で働いていましたが、

生の豆を仕入れて焙煎する作業を自分でおこなっていて、そろそろ自分の好きな豆とお酒でお店をやりたいと思っている時に声をかけてもらいこちらの店長になりました。

初め、横浜は全く知らない場所だったが、まあ何とかなるだろうと思って始めて、自分が出したいお酒とコーヒーを出しておけば、お客さんは来るだろうと思っていたが、うまくいかずしばらく戸惑っていたそうです。

しばらくして、ひとりひとり味に対しての蓄積があり、人によっておいしさは千差万別で、自分が良いと思うもの、好きなものを提供するだけでは人の心は動かすことができないと気づきました。

そして、横浜はバー慣れしている人が多いこともあり、味の傾向もお客さんに教えてもらいながら試行錯誤し、お店で出すコーヒーやお酒を作っていくようになりました。

たとえばマティーニ一つとっても、最初はBOODLESがお気に入りのジンで個人的な思い入れがあって
これジンで作るのが一番おいしいと思っていたが、今は横浜の有名なバーで使われているLONDON HILLと日ノ出町で蒸留されている横浜ベイブルーイングのBRONCO 20をブレンドして使用しています。

なぜこのようにしたかというと、お店のお客さんは出張の際にSNSを見て来てくれる方も多く、横浜以外から来た方たちには横浜由来のものを提供できるし、横浜在住の方だと地元愛があるお客さんも多いため、喜んでいただけるからだそうです。

尚、日ノ出町でジンを造っている峰尾さんはクラフトマンシップあふれる方で、こちらのお店にもよく来てくれてすごくリスペクトしていて、現在、お店の豆でコーヒージンを作っている最中です。

音楽はJazzやピアノ曲等落ち着いた曲が流れていることが多いですが、あまり激しい曲以外、歌謡曲等様々な曲を流しています。

たまに貸し切りイベントが行われ、毎週水曜日はJazz EggsのLiveがおこなわれています。　Jazz Eggsのサックスの方も最初はお客さんとして来ていたそうです。

最近は、食べ歩きが好きで、天ぷらはわかりやすく旬の味を楽しむことができるためよく食べ歩いているそう。

その中でも隣にある「天富」さんが好きで、味はもちろん、天富のお父さんはお店にもよく来てくれて、関内の昔の話を聞かせてくれて、お父さん、お母さんの話を聞くのも楽しくて仲良くさせてもらっているとのこと。

様々なエピソードからも伊藤さんは本当にお客さんとのつながりでこの店を作っていっているなと感じました。

私がこの日飲んだカクテルの一杯、「バーント　フュージレイジ」もこの辺りではあまり出しているお店はなく、こちらもお客さんから教えてもらったカクテルだそうです。

こちらのお店はガラス張りで中の様子が見え入りやすいこともあって、客層も、老若男女、たまたま通りかかった人から、常連さんまで様々です。

けっこう夜の喫茶利用のお客さんが多かったり、ここ以外のバーには行かないというお客さんも多いようです。

「バーはハレでありどこか特別なものだと多くの人が感じているが、ここにはコーヒーがあり、みなさんの日常として感じてくれているのでは」

「この辺りにこのようなお店はあまりないので自分たちのお店の価値があって、バーの魅力を色々な方に伝えたいので、バーを親しむための入り口となってくれればうれしいです」

と話す伊藤さん。

コーヒーとお酒への愛が大きく、知見も深く先日もコーヒーのセミナーをおこなったり、自身でカクテルとコーヒーの年表を作っていて、彼を知る他のバーテンダーの方たちも、お酒とコーヒーへの情熱がすごいと言っています。

こちらのお店は、静かに自分の時間を過ごすことも、友人との会話を楽しむのにもよい空間ですが、せっかくのですので、伊藤さんに好みを伝えて一杯頼んでみてください。

きっとその人に合った一杯をだしてくれてカクテルやコーヒーの物語を紹介してくれるでしょう。