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石倉潤
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階段を降りるとお店前に樽があり、その横の本棚を模した入口の佇まいは、ヨーロッパの街角のようでもあり、物語に出てくる書斎の隠し扉のようでもあります。
店主の山本悌地さんがこのBarをオープンして今年で30周年。
以前そこにあったお店は、スタイルが全く違うお店でしたが名前だけは以前のお店のものをそのまま引き継ぎました。
オープン当初は古臭いイメージがあったため、途中で変えようと思っていたが、大人の落ち着いた店にしたかったこともあって、映画『カサブランカ』をコンセプトに店名は結局変えないで今まできました。
山本さんのサービスは何か一つに特化していくというよりは、お店で出すお酒はもちろん、接客、空間づくり等、トータルでバランス良く、来た方に喜んでもらえるようなサービスを提供することです。また、お酒に関しては、飲んでくれた方が想像よりもちょっと面白いと感じるような予想外な美味しさをだせたらと思って作っています。
CASABLANCAで飲むお酒はどれもおいしいですが、その中でもフルーツカクテルの種類が多く、手間のかかったフルーツジュースを仕込んでいることもこちらのカクテルが美味しい理由の一つかと思われます。
この日も季節のカクテルとしてベルガモットのジントニックをいただきましたが、キリっとした中に苦味と深みがあって最初の一杯に最適でした。
山本さんは様々なことに興味を持っていて、最近では今後のバー業界の行方が気になっているとのこと
これからのバー業界におけるAIや自動化の導入に関して
「既に導入されているところもありますが、これからは、AIがオーダーから、ドリンク作成、フード作成、配膳まですべて行うようになるのでは。」
「現在、何十種類もカクテルをシェイクできるらしいので、これからはもっと細かい設定もできるようになり、だれだれのレシピのカクテルを、正確に作ってくれるようになるのではないでしょうか。」
「それはそれで面白いと思いますし、そうなると人を気にしないでバーで調べ物を行ったり
空港のラウンジのような感じで使う新しい形態のバーもできて、それもよいと思います。」
「もちろん、今まであったバーの形態で人がすべてを見てきちんとサービスを行うバーのスタイルも残ってゆき両極化してゆくのでは。」
と語ってくれました。
また、普段は動きやすい恰好が多いそうですが、洋服が好きで特にヨウジヤマモトやコム・デ・ギャルソンの春の立ち上がりや、夏の立ち上がりには、昔は必ずお店に行っていたそうで、最近は近くに直営店もなくなり、あまり店舗には行かなくなり、ブランドからメール等送られてきたのを見たり、ネットやオークションサイトでたまにチェックするくらいになっているとのこと。
音楽に関しては70年、80年代、90年代 AOR、R&B、ACID JAZZが好きだが、お店でかける曲はちょっと違います。店の雰囲気に合ったものをかけることが多いが、その中でもちょいちょい90年代の日本の曲をアレンジしたものやそのまま使ってもよさそうな曲をかけているとのこと、例えば、『あぶない刑事』の曲をかけているが、みなさん気づかないそうです。
山本さんが良く飲みにいくバーはCASABLANCAを卒業した方のお店がほとんどで、お店が終わってから、「カサブランカ片野酒類販売」、「Bar Lucid」、「CASABLANCA D-Bar」に行っては、他愛のない話や昔の話をすることが多く、特に「Bar.Lucid by The Bar CASABLANCA」は山本さんが監修してアーティストの氷室京介さんが名前を付けてくれたお店で、近いということもあり一番良く行くということです。
「The Bar CASABLANCA」ではお客さんが帰る際、非日常から日常に戻っていく中、無事に帰っていただけるよう切り火で送り出してくれます。
私が行く日はいつもスタッフの一戸さんが切り火やってくれて、この日もそうでした。
こちらのお店は、まさしくオーセンティックバー。
山本さんが作り出す、良質のお酒と落ち着いた世界の中、大切な人や仲間と静かに語り合うことや、一人でゆっくりお酒を楽しむのに良いですね。
Shop info/店舗情報
- The Bar CASABLANCA
- 住所
- 横浜市中区相生町5-79-3 ベルビル馬車道B1
- 営業時間
- 16:00〜1:00(12:30L.O)
- 備考
- テーブルチャージ ¥800